2008年3月28日金曜日

池内了さんのコメント【化学物質問題:3】

宇宙物理学者で、世界平和アピール七人委員会のメンバーである池内了氏の日経新聞でのコメントが、化学物質過敏症に関するコメントで、一番簡潔で的を得ていると思います。下記要約です。

私たちは化学物質に大きな恩恵を受けてきた。食糧増産への寄与、伝染病減、工業製品を強化等の多くの効能だ。日常的に使われている人工化学物質は数万種類にもなるが、そのごく一部に、思いがけない問題が生じるようになった。
その一つに化学物質過敏症がある。
身辺の化学物質に対し過敏性を持つようになり、頭痛・めまい・いらつき・手足のしびれ・不眠・鼻炎・倦怠感など、さまざまな症状を示す人たちのことだ。建築材料のシックハウス症候群はじめ、排気ガス、シロアリ駆除剤、農薬、ゴミ焼却時の排出物など、他にも化学物質過敏症になる原因が多くある。
問題は個人差が大きいことで、平気な人から見れば理解できず、医者も無視しがちとなっていたが、今や日本の成人の化学物質過敏症の患者は70万人(2004年データ:現在200万とも)に達しており、診断・治療の研究進歩がが強く望まれている。
本来、体内に入れば悪い作用をする物質に敏感な人たちだから、化学物質「鋭敏」症と呼ぶべきではないだろうか。